建物調査点検

外壁劣化調査

建物の外壁は、常に自然環境要因に晒され使用状況などの影響もあり経年と共に材料の強度や性能に老朽化・劣化が現れます。

外壁の劣化はタイルやモルタル等の剥落により死傷事故にもつながる可能性があるため、外壁仕上げに補修、改修を施すことが災害防止はもとより建物の耐久性の向上に資することになります。そのためには外壁の タイルやモルタルの浮き、ひび割れ等の状況を定期的に把握することが不可欠です。定期的な外壁診断は外壁の不具合を未然に防止(予防保全)し、建物の耐久性を向上させるとともに、災害の防止にもつながります。

赤外線サーモグラフィ調査

物体の発する赤外線放射エネルギーを温度分布としてとらえて画像化したもののことで、コンクリートやタイルの浮きや剥離を見つけるのに使用できます。

検査する対象物に触れず、離れたところから測定するので高所や危険で近づけないものでも安全に調査できるのが特長です。

赤外線サーモグラフィ調査のメリット

 ・建物の遠方からでも調査ができ足場設置が不要のため安全
 ・異常部を視覚的に把握することができる
 ・騒音がなく、建物利用者の方々に迷惑をかけない
 ・時間も費用もコスト削減ができる

赤外線サーモグラフィ調査のデメリット

 ・調査時の気象条件(天候、温度変化、方角、風速)に左右され雨天、積雪、強風時は調査ができない。
 ・対象建物の形状、周辺樹木、周辺建物の立地によっては、測定が困難
 ・調査結果の信頼性は、打診調査より劣る
 ・撮影技術者の技量や熟練が必要

打診調査

打診棒などで直接外壁を叩き、劣化や損傷の有無を確認する方法です。
足場を組み立て建物の外壁を打診する方法は、目視と触診を同時に行うことが可能なため、作業現場で頻繁に用いられる。必要に応じて高所作業車を利用し打診することも可能。

打診調査のメリット

 ・直接打診することで信憑性が高い

打診調査のデメリット

 ・足場やゴンドラの設置で時間がかかりコストも高くなる
 ・高所作業になると危険を伴う

平成20年4月1日から建築基準法に基づく定期報告制度が変更となり、特定建築物等は竣工、外壁改修などから10年経った最初の建築物定期報告調査の際、若しくは10年ごとの定期報告調査の時には外壁タイルなどの「全面打診等」による調査が必要になりました。
この「全面打診等」が現在では主に赤外線サーモグラフィ調査で行われています。

外壁劣化調査を行う目的により、赤外線サーモグラフィ調査と打診調査を使い分ける事をおすすめします。

内視鏡調査

配管内の劣化や詰り、汚れを把握するのに効果的です。

また内視鏡調査は壁内調査にも適しており、壁に内視鏡カメラのレンズが入るくらいの穴(30Φ)をあけて内部を確認することも可能です。

柔軟性があるので、見る対象物が曲がっていても曲がりに沿って入れることができます。

確認後、穴をあけた部分は補修します。

レントゲン探査

コンクリート内の鉄筋・電配管・CD管などの埋設物の位置をレントゲン(X線)で撮影し、その場で確認することができます。
通常使用するレントゲン(X線)装置の場合、探査可能な厚みは約300mmとなり、250mm以下のコンクリートであれば、1箇所あたりの撮影に要するX線照射時間は1分以内の短時間です。
徹底的な防護対策を行うために立入り禁止区域の設置、監視人の配置、無線機などによるX線発生合図の徹底および漏洩、X線減少のための遮蔽対策などの措置を講じています。
レントゲン探査は、国家資格保有者が責任を持って行います。

定期点検

※建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして特定行政庁に報告する制度
定期報告制度には[特定建築物定期調査][建築設備定期調査][防火設備定期調査][昇降機等定期調査]の4種類。
私たちは[特定建築物定期調査][建築設備定期調査][防火設備定期調査]3種類の調査に携わっています。

☆検査の有資格者
一級建築士・二級建築士は、3種類すべての定期報告業務を行うことができます。 特定建築物調査員・建築設備検査員・防火設備検査員は、それぞれの調査・検査のみ報告業務を行うことができます。

特定建築物定期点検

建物全体の劣化損傷、防災上の安全対策等について幅広く調査することを目的としており、調査の対象は大きく分類すると以下の6項目
各項目共通で現行法規等に基づき建築物の現況を調査します。
1.敷地および地盤
2.建築物の外部
3.屋上および屋根
4.建築物の内部
5.避難施設等
6.その他

建築設備定期点検

設備の不具合で起こる事故から利用者の安全を守るために点検を行います。調査の対象は大きく分類すると4項目。対象となった設備は法的な設置の要・不要を問わず原則全数が点検対象
1.換気設備
2.機械排煙設備
3.非常用照明設備
4.給排水設備

防火設備定期調査

火災等による火や煙の被害を最小限にすることや、安全に避難が出来るための重要な設備です。
正しく作動するか確認をし利用者の安全を守るために点検を行います。
1.防火扉
2.防火シャッター
3.耐火クロススクリーン
4.ドレンチャーその他水幕を形成する防火設備

昇降機等定期調査(当社では扱っていません)

昇降機等の定期調査は、一般的に専門業者が保守点検の際に行います。

図面作成

現地にて計測・調査した結果を基に各階伏図・軸組図・構造部材リストを作成します。
通常の現地調査の結果も踏まえて各階平面図・立面図・断面図等の作成も行います。